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一心寺へ
堀越神社から次に向かったのは一心寺。
堀越神社からは、徒歩で5分ほど北西に向かったところに位置しています。
仁王門
鉄とコンクリートで造られた山門は、寺院としては斬新なもので、一心寺の長老であり、建築家でもあった(現在は引退)高口恭行氏の作品で、1997年に完成しています。
いつもながらのド迫力でお迎えしてくれる仁王像は、彫刻家:神戸峰男氏の作品。
創建
1185年、浄土宗の開祖である法然上人が、四天王寺の別当であった慈円の要請により、四天王寺の西門の坂の畔に四間四面の草庵「荒陵の新別所」を結び、住みました。
後に、四天王寺参詣の際に後白河法皇が立寄り、共に「日想観」を修したとされています。
御朱印にも書かれる「日想観」とは、「夕陽を見ながら極楽浄土を観想すること」で、当時のこの地から西は海を遠く見渡せ、極楽浄土の瑠璃の地の様だったと言われています。
1596年には、三河国の僧侶であった本誉存牟上人がこの地で一千日の念仏修法を行い、寿命山観称院一心寺という名の寺院として再興されました。
一心寺と徳川家康
1600年、徳川家康の八男である仙千代君が大阪で天折し、家康と同郷の三河国の僧である本誉存牟上人が住職を務め、家康自身が浄土宗の熱心な信者であったことから、その葬儀は一心寺で行われました。
その際に、家康が境内の坂の孤松を讃え、「坂松山」の山号とその寺額を寄進するとともに、仙千代君の戒名から「高岳院」の院号も与えたため、坂松山高岳院一心寺と改称しました。
ところで、1600年というと天下分け目の関ケ原の戦いの年でもありますが、天下取りに向けた戦いとなる1614年の大坂冬の陣の際には、家康は一心寺に本陣を構えています。
酒封じの神
御存知の様に、この大坂冬の陣では真田幸村の奮戦もあって完全勝利を挙げることはできず、特に酒を飲んでいたために敗退したと言われる家臣:本多忠朝は家康に叱責され、翌1615年の大坂夏の陣では天王寺・岡山で、名誉挽回のために最前線で奮闘しました。
しかし、奮闘虚しく討死にし、死の間際に「酒のために身をあやまる者を救おう」と言い残したとされています。
その本多忠朝の墓所が一心寺にあり、「酒封じの神」として禁酒を誓う人々の信仰を集めています。
おせがきの寺
江戸時代になると、一心寺は寺社奉行直轄の特別寺院となり、檀家を持ちませんでした。
逆にそれが仇となり、一時衰退していましたが、天保年間(1831~1845年)の中頃に50世真阿上人が、庶民向けに宗派を問わず、年中無休で無縁の霊を供養する施餓鬼供養を始めたことにより、「おせがきの寺」として賑わう様になり、復興を果たします。
お骨佛の寺
やがて、この評判を受けて、地方から大坂に丁稚奉公に出てきていた次男坊たちが、大坂でも先祖供養ができる様にと、先祖の分骨を一心寺の納骨堂に持ち寄る様になりました。
やがて納骨堂も限界を迎え、1887年に1851年以降に納められた約5万体の遺骨を粉砕し、粉にした上で鋳型で固めて阿弥陀如来像が制作されました。
これが現在も続くお骨佛の始まりです。
しかし、1945年の大坂大空襲により、境内の大半とともに6体のお骨佛を焼失。
戦後、伽藍を再建するとともに、1947年には戦前の6体分のお骨佛の残骸に、新たに22万体の遺骨を加えた第7期お骨佛を完成させ、お骨佛作りが再開されています。
以降、10年毎に納骨された遺骨でお骨佛が制作されています。
境内
広々とした境内は緑も多く、休憩所等の施設も充実しています。
本堂
この日は法要が行われていた様子の大本堂。
御本尊として阿弥陀如来が安置されています。
納骨堂
お骨佛は納骨堂に安置されており、
この様に図で示されています。
実は、私の両親・義母もこちらでお骨佛とさせていただき、度々お詣りに訪れているのですが、母は第13期、父と義母は第14期とちょっと離れ離れです。
「お前らが詣りに来んでも、他所の人が詣ってくれるから」と生前の父のセリフ…。
たまに来てるよ。
実際のお骨佛の様子です。
この日もしっかりとお詣りさせていただきました。
しかし、近年になってお骨佛の安置場所が不足し、小壺分の遺骨のみしか引き受けられなくなったことを最近聞きまして…。
「私たちの頭蓋骨とかどうすんの?」という新たな課題が我が家に発生しております…。
御朱印
御朱印は、祈祷や写経の受付寺務所とはちょっと離れた奥の寺務所で頂戴できます。
先述の「日想観」と書かれた直筆の御朱印を頂戴しました。
一心寺 情報
大阪市天王寺区逢阪二丁目8番69号
TEL:06-6771-0444
無休
拝観料 無料
拝観時間 9:00~16:00
寺務所受付時間 9:00~16:00
初穂料 300円
公式ホームページ 一心寺 | お骨佛の寺・納骨とおせがきの寺 一心寺 (isshinji.or.jp)
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